No149記憶に残る経営者の言葉49 未来工業株式会社(岐阜県安八郡;製造業)山田雅裕社長

今回は2018年9月15日に慶応義塾大学日吉キャンパスで開催された“人を大切にする経営学会 第5回 全国大会”の基調講演から、未来工業株式会社山田雅裕代表取締役の印象的だったお話をご紹介させていただきます。

●メディアに取り上げられることが多い未来工業

創業者;山田昭男氏の書籍の表紙には、“残業禁止!”、“ホウレンソウ禁止!”、“年間休日140日+有休40日!”と謳われています。

しかし今回の基調講演では、メディアによって“書きたい未来工業”と“現在の未来工業”に解離があることがわかりました。

山田雅裕にお話いただいた具体的なこと

 ✓週休3日 → 2日(施行後しばらくして社員の悪評から廃止)

 ✓年間休日140日 → 135日+アルファ(飛び石連休がなくなっているから減少)

 ✓残業なし → 受注多い時は率先して残業をしている

 ✓ホウレンソウ禁止 → 意識してホウレンソウ禁止を進めていない(日本で初めてホウレンソウを提唱した経営者の会社はすでに倒産しており、そもそも“報告と連絡”と“相談”は内容が異なると考えている)

上記の4点は数年経った現在の2021年では変容しているかもしれません。

私たちは古い情報を固定観念のように記憶し続けていることは正しいとは言えず、常にその情報は過去のその時点のものだと認識すること、そして常に最新の状況を見ることが重要だと教えてくれました。

●業績不振の他社を子会社化した時の出来事

 ✓ “特に間接部門の人は自分の仕事がブラックボックス化されやすい”

→例えば新卒で入社した人は、他社を知らないことで自分がおこなっている様々な業務が実際に役立っているのか理解できていない場合があります。そのため、自分が作成した資料は必要なのか?誰が見ているのか?という状況になったと言います。

 ✓ “残業することで自分の存在を示す、高めようとする人がいた”

→ある人の仕事の多くを誰も引き継ぐ必要がなかったということでした。

合併の際は異文化という大きな壁があるのだと思いますが、常日頃から社員一人ひとりの業務が、事業に必要とされていることを確認しあえる風土が重要です。

働く現場ではこのような状況は潜在的に多いのではないかと思いました。人間はだれしも必要とされたい、存在を認められたいと思うのも事実だと思います。しかし同時に、全社員が同じ方向を向くように経営理念や方針を浸透させることができているか、経営者も問われているのだと感じました。

以前に投稿した記事は 未来工業株式会社【番外No26基調講演より2018/9/15】 です。このブログ内を検索してご参照ください。

***補足***

この投稿では「法政大学大学院 政策創造研究科 坂本研究室」や「人を大切にする経営学会」での経験をもとに毎週火曜日にお届けしております。個人的な認識をもとにした投稿になりますので、間違いや誤解をまねく表現等あった場合はご容赦いただければ幸いです。(人を大切にする経営学会会員;桝谷光洋)

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