ふと気づいたら
私事ですが2021年1月2日、入籍しました。入籍する前後の頃です。妻が自分の職業について、私の両親が気にしたりしないか、迷惑に思われないか、と何度か私に確認してきました。私は何故そのような事を気にするのか分かりませんでした。
私の中で「看護師」という職業は誇りに思う事はあっても、結婚相手の両親に告げにくく感じる職業という認識はなかったからです。数年前に一度、三日間ほど入院したことがあり、深夜のナースコールや、お年寄りの叫び声にも穏やかに対応する看護師の方々を見て、尊敬の念を抱いていましたから「大丈夫でしょう」と終わらせず、なぜそのような事を気にするのか聞いてみました。
妻によると、先輩看護師の出来事が深く影響しているようでした。先輩看護師の親御さんが、自分の娘にマスクを送ってあげようとしたそうです。荷物の品名に「マスク」と記載し窓口に出したところ、色々と質問されたそうです。
新型コロナウィルスが流行しだして、マスク不足が叫ばれ、マスクの転売が問題になっていた頃ですから個人的にはまだ理解できます。
娘が看護師をしているのでマスクを送ってあげたいと伝え、手続きを済ませて出たところ、後から職員が追いかけてきたそうです。そして「やはり受けられない」と荷物を返され、返金となったそうです。この出来事により「看護師には荷物も送ることはできないのか?」「こんなに頑張っているのに、避けられる仕事をしているのか?」「相手の両親や親族が看護師に近づくのを嫌がったらどうしよう」と随分悩んだようです。
もちろん企業として配送員の安全を確保することは大事な事ですが、いつからこんなにも冷たい国になってしまったのか、非常に驚きました。
そこでふと最近の出来事を思い返してみると、以前に比べて日本人が苛立ち、攻撃的になっているように感じました。もちろん私自身も例外ではなく…。
テレビやネットでは新型コロナウィルス感染拡大や、マスク会食、時短営業、クーデター、あおり運転、倒産、リストラ、人種差別、性差別、自殺、殺人事件、暴力事件、パワハラ、セクハラ、モラハラ、アルハラ、マタハラといった日本中、世界中の暗いニュースが、繰り返し流れ、いつしかただ聞き流し、「またか」程度にしか感じなくなってきていました。
しかし、不快感だけが少しずつ澱のように溜まっていたようです。色々思い返しているうちに、ふと「あ、実は結構イライラしていたんだ」と気づくことが出来ました。周りから指摘されるほど表に出ていなかったのが幸いです。
皆さんも、ちょっとずつだから分かりにくいイライラ、溜まっていませんか?たまには色々思い返す時間と余裕を取ってみるのも必要です。気付けば対処が可能です。
人財塾3期生 株式会社ソフテック 田原誠一郎
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