女性役員就任の難しさ

5月1日の日経新聞の記事に「女性役員ゼロ『ノー』運用会社、企業に監視厳しく」と表題の下、東証1部企業でも女性役員がいない会社が4割、これらの企業に対して、物言う株主である資産運用会社が取締役選任議案で反対投票を投じるなどのプレッシャーをかけているとの記事がありました。

 しかし男社会で高度経済成長を駆け抜けてきた大手企業は、いずれもつい最近まで総合職で幹部候補の女性社員の育成をしてきたとは思えません。

 また役員は、ある意味で会社に全てを捧げる覚悟がなければなりません。経営者同様24時間、会社のことを考えているものでしょう。女性が役員になるためには、社内の制度、風土の醸成だけでなく、家庭や親族などのプライベートに関わる部分でも理解や協力が必要不可欠です。

つまり①女性社員の幹部教育、②女性役員を支えることとなり公私にわたる理解と協力、の2つが必要十分条件です。

この点では、ジョブ型といわれるポスト採用の欧米型であれば、①のハードルは社内からではなく、社外からマネージメント等の役員の資質を持った女性役員を採用することで即座に対応できるところですが、メンバーシップ型といわれる日本型雇用の場合、社内での幹部教育、社内風土の醸成には一定の時間がかかってしまうのはやむを得ないところです。

もっとも人を大切にする経営学会に参加する企業では、女性役員を積極的に登用している会社も多くあります。これらの会社では、そもそも男女の差なく社員教育を実施し、早くから女性役員を支える社内風土があり、また社員とその家族を大切にする取り組みの中で、女性社員のパートナーや親族の理解も得ているのだと思います。日本の中小企業が本気になれば、大企業よりも早く、多くの女性役員が活躍することとなると思います。

(学会 法務研究部会 常任理事 弁護士山田勝彦)

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