withコロナを生き抜くタクシー業界

2020年、新型コロナウィルスの影響で外出する人が減り、タクシー業界は大打撃を受けた。業界平均の4月の営業収入は前年比で4割にまで低下した。(出所:全国ハイヤー・タクシー連合会)

しかし、タクシー業界の苦境は10年前から生じており、斜陽産業として意識されていた。運転手はピークの2005年約38万人から2015年約30万人に減少しており、2015年の平均年収は全業種が548万円なのに対しタクシー業界は310万円と下位にある。(出所:全国ハイヤー・タクシー連合会)

業界が抱える問題点は、①運転手の高齢化と人材不足、②低賃金と不透明な労働環境、③運転職へのネガティブイメージ等があげられる。

実は、今回の感染拡大は業界にとってトドメを刺す一撃というより、将来対応への加速として前向きにとらえることができると筆者は考えている。斜陽産業ゆえに将来への取り組みを準備始めていたからだ。

コロナ禍において業界で起きたのは、アプリ配車の驚異的な伸びである。業界2位の国際自動車の西川社長は東洋経済(21/2/18)のインタビューにおいて、自社アプリのフルクルが2020年夏に前年比300%程になったと答えている。今後、配車アプリがタクシー業界に次々と参入することが予想される。配車アプリの特徴は、スマホで気軽に馴染みのある運転手に依頼できるという安心感がある。運転手もコミュニケーション力を活かし差別化をはかることで、自動運転化構想での失職不安をぬぐうことができる。

運転技量というよりコミュニケーション力が求められるのなら、優しく柔らかい女性や人との触れ合いを求める若者が運転手として活躍すると期待できる。

タクシー業界は、withコロナを成功させる業界として注目されよう。

学会会員 根本幸治

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