No164記憶に残る経営者の言葉64 池内タオル株式会社(愛媛県今治市;タオル製造業)池内計司社長(当時)

今回は2012年9月に坂本ゼミの夏季合宿としてご訪問した『池内タオル株式会社』さんの心に残る経営者の言葉をご紹介致します。(現在は社名をIKEUCHI ORGANIC 株式会社へ変更されています)

視察当日は紹介ビデオを拝見し、社内見学・工場見学・社長のお話を伺いました。

今治市はタオル製造で有名な地域ですが、特に技術力を背景にブランドメーカーとの取引が盛んな地でした。

“以前は問屋さんの注文をうけブランド向けのOEM商品の生産が主な事業だった”

“ブランド向け製品は3か月ごとにモデルチェンジをしなければ百貨店の店頭にはおいてもらえない”

池内タオルはいち早く環境への取り組みを進めています。

“1999年、タオル業界としては初のISO14001を取得、2000年にはISO9001を取得”

“10年間ISOを運用した後はISO認証という第三者機関に頼らず自社独自でISO以上に厳しい基準を作った”

“客観的な評価を得るためにスイスのコンテックスで安全性テストを実施し、最も厳しい基準をクリア”

2003年、同社は環境を追求した製品として『風で織るタオル』を販売を開始しました。

“100%有機栽培綿、認定農地のみで栽培、認定紡績工場で紡糸する厳格さ”

“染色工場では環境負荷の高い化学物質の使用を避けた”

“最終仕上げの洗浄では石鎚山系の地下水を使用、排水も世界トップレベルの設備を導入”

そんな中、経営危機と転機が訪れました。

“2003年取引先の問屋が倒産し連鎖倒産の危機に直面。民事再生法の適用を申請”

“OEM路線から自社ブランド事業へ転換を図り2007年民事再生手続きを終了”

問屋さんの倒産によって厳しい時期を迎え、その苦境を見事に乗り越えた池内タオルさん。今では高品質を追求した直販スタイルで確固とした地位を確立しています。

【2073年(創業120周年)までに赤ちゃんが食べられるタオルをつくる】という事業指針を持つ同社に今後も注目です。

以前に投稿した記事は 池内タオル株式会社【No85いい会社視察2012/9/4】 です。このブログ内を検索してご参照ください。

***補足***

この投稿では「法政大学大学院 政策創造研究科 坂本研究室」や「人を大切にする経営学会」での経験をもとに毎週火曜日にお届けしております。個人的な認識をもとにした投稿になりますので、間違いや誤解をまねく表現等あった場合はご容赦いただければ幸いです。(人を大切にする経営学会会員;桝谷光洋)

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