真のリーダーは利他である

リーダーシップ論について、2つの本を平行して読んでいます。既に、皆さんは読まれていると思われますが、浅学な私はやっと読み始めたばかりです。

1つは、ジョン・L・ヘネシー著「スタンフォード大学名誉学長が教える本物のリーダーが大切にすること」、もう1つはデボラ・クルーンフェルド著「スタンフォードの権力のレッスン」です。どちらもスタンフォード大学ということになります。

前者の本には、本物のリーダーが持つ「真の自信」は、謙虚さから来る、「謙虚さがあれば、自分たちの弱みがどこにあるのかがわかり、だからこそそれを補充できる。」しかし一方で、謙虚であることは、野心に欠けるということではないと書かれています。リーダーには野心も必要であると。ただ、この野心というのは、「自分の利益だけに焦点をあわせたものではない。」「謙虚であり、かつ野心的である唯一の方法は、他者の利益のために野心を燃やすことかもしれない。」としています。つまりここでは、野心的で謙虚なリーダーとは他者の利益のために活動する者であるということを意味していると思います。逆に言えば、真のリーダーとは、謙虚さと利他に対する情熱(野心)を持つ人という意味ではないかと思うのです。

後者の本は、最近の本であり、「権力のレッスン」というかなり刺激的は表題です。この本はただ権力者になりたい、という人のための本ではなく、「真の権力」は何かを追求しています。その中で次のように言っています。「権力とは、他者とその行動をコントロールする能力と定義することができる。だとすれば、あなたの権力は、他者があなたを必要としている程度で決まる。」そして「永続する真の権力は個人的な地位の追求や権力への執着で得られるものではない」「権力やリーダーシップは、それを集団の目的のために使うことによって得られるのである。」とされています。権力というのは、自分が望んで、目指すことによって得られるものではなく、「集団の目的」つまり利他のために使うことによって、得られると説かれています。

つまりリーダーとなるためには、その人が利他を目的として活動をしていなければならず、利他でない人は真のリーダーとは言えないということです。

このことは、人を大切にする経営学会に参加する経営者の皆さんを見ると分かります。真のリーダーは利他である、というのは普遍の真実なのでしょう。

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(学会 法務研究部会 常任理事 弁護士山田勝彦)

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