3・11を転換点として
3・11を体験したことにより、人生の転換期をむかえた若い方々がいます。以前にマスコミ等でよく取り上げられていた「防災ガール」(現在は発展的に解散)はその一例です。
2011年6月20日に設立された公益社団法人(当時は一般社団法人)チャンス・フォー・チルドレンもその一つだといわれています。代表理事の一人である今井悠介さんは、2010年にKUMONに就職しました。学生時代に、阪神・淡路大震災で被災した子どもたちの支援をしていた特定非営利活動法人ブレーンヒューマニティーのプロジェクトとして2009年11月に発足した「子どもの貧困撲滅プロジェクト“Chance For Children”」に参加していた今井さんは、2011年3月11日、震災の揺れの中で、「やりたいことをやれずに死にたくない。」と思いたったそうです。そこでもう一人の代表理事である奥野慧さんと話し合い、生涯勤めるつもりだったKUMONを退職し、既存のプロジェクトを発展させて社団法人を設立しました。 同法人の活動目的は、「家庭の経済格差による子どもの教育格差を解消し、貧困の世代間連鎖を断ち切ること」を目的とし、たとえば東日本大震災で被災した小学生から高校生に対して、学校外教育の提供をしています。(以上、同法人ホームページ及びBUSINESS INSIDERの記事より)
1990年代半ば以降に生まれた「Z世代」といわれる方々の行動原理をキーワードで表すと「共感」、「地元」、「国際派」、「誠実」、「エシカル」だそうです。このようなレッテルがどの程度意味があるかはともかくとして、確かに共感性が高く、エシカル、つまり社会問題解決への意欲が高いように思います。
私は、1964年生まれですので世代でいうと「新人類」末期、「真性バブル」手前に位置するそうです。世代の呼び名からすれば、とてもZ世代とは分かり合えない気がしてしまいます。しかし今の若い人々の生き方は、素晴らしいと思います。最大限、若い世代を助け、間違っても足を引っ張らないようにしたいと常々思っています。
(学会 法務研究部会 常任理事 弁護士山田勝彦)
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