勤労感謝の日って何?

11月23日は勤労感謝の日。勤労感謝の日は、国民の祝日に関する法律(祝日法、昭和23年法律第178号)によれば、「勤労をたつとび、生産を祝い、国民がたがいに感謝しあう」ことを趣旨としている。

日本では古くから、天皇が新穀などの収穫物を神々に供えて感謝し、自らも食する「新嘗祭」(にいなめさい)という祭事が行われてきた。

新嘗祭は、1872年(明治5年)までは旧暦11月の二回目の卯の日に行われていた。太陽暦(グレゴリオ暦)が導入された1873年(明治6年)において同年は11月の二回目の卯の日であった11月23日に行われた。同年公布の年中祭日祝日ノ休暇日ヲ定ム(明治6年太政官第344号布告)によって、祭祀と同名の休暇日(休日)となった。本来、11月の二回目の卯の日は11月13日 – 11月24日の間で変動するが、翌1874年(明治7年)以降も祭祀・休日ともに11月23日に固定した。

第二次世界大戦後、新たに日本国憲法が制定され、祝祭日から国家神道の色彩を払拭するという方針のもとで新たに祝祭日を選定し直すことになった。1947年(昭和22年)に召集された国会で祝祭日の名称の全面的な見直しが行われる中、衆議院では新嘗祭が新穀の収穫に対する感謝の日であることから「新穀祭」「生産感謝の日」などの案が検討され、「感謝の日」案が有力となった(なお、官僚の間では、GHQの命令により米国のThanksgiving Dayが由来と伝わっている)。その後の衆参合同委員会で「感謝の日」では何に対する感謝かわからないという理由で協議を重ね、日本社会党などの委員による賛成多数で「勤労感謝の日」が採択された。この決議を踏まえて国民の祝日に関する法律に規定された。

これで、収穫に感謝する日が労働に感謝する日にすり替わり、日本文化の特徴が消されてしまった。

勤労への感謝は毎日のことであり、11月23日に祝う必然性は全くない。

かつて日本は安い賃金で働き過ぎる勤労精神を米国等から避難され、海外において自国産業防衛のために日本人を排他する時代があった。

OECD発表によると、2021年の主要国の労働時間は米国が働き過ぎであることを示している。      平均年間労働時間  米国1800時間  日本1600時間  ドイツ1300時間

日本の法律では1日8時間労働の明記があるが、米国連邦法では労働時間に上限なく休息規定もない。

勤労感謝の日とは何なのだろうか?                              (人を大切にする経営学会会員:根本幸治)

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