発達障害と「間違われる」子どもたち 小児脳科学者が指摘する、不調から抜け出すシンプルな解決策を提示している。

日曜日と月曜日に益々増える発達障がいは生まれつきではなく、農薬等でミネラル不足が原因と思うを投稿させていただいた。

小児脳科学者の成田奈緒子さんは
発達障害と「間違われる」子どもたち 小児脳科学者が指摘する、不調から抜け出すシンプルな解決策を提示している。

■増加する子どもの不調 背景に生活習慣の乱れという盲点

文科省の調査(※1)によると、公立小中学校の通常学級で発達障害の可能性があり、特別な教育支援を必要とする児童生徒の割合が8.8%に上るという。単純には比較できないものの、前回の調査から2.3ポイント増だ。35人学級だとすると、1クラスに3人いる計算になる。

しかし、この子どもたちのすべてが発達障害とは思えないと話す専門家がいる。発達障害や不登校、引きこもりなど様々な不安を抱える親子・当事者の支援事業「子育て科学アクシス」を主宰し、これまで35年間にわたり、2000組以上の家族の相談に乗ってきた小児脳科学者の成田奈緒子さんだ。2023年3月には『「発達障害」と間違われる子どもたち』を上梓している。

成田さんは、現在の子育てであることが軽んじられているために、発達障害と間違われるケースがあると指摘する。

ーー長い臨床経験で、発達障害と思われていた子どもが、実はそうではなかったということがあったそうですね。

「そうなんです。学校などで、発達障害とレッテルを貼られて相談に来る方がいるのですが、生活習慣を変えると、症状がなくなったということが経験上多くあります」

ーー生活習慣ですか?そんなことで変わるんですか?

「生活習慣は、皆さんが思っている以上にとても重要なんです。そんなことわかっていると思われるかもしれませんが、昔に比べると、良い生活習慣は相対的に軽視されていて、そのことが今の子どもの不調につながっていることが多いです。

実際、生活習慣を作り直していくと、多くの子どもは心や身体の健康度が上がり、自律神経のバランスが良くなっていきます。すると、発達障害のような症状だけに限らない問題、例えば、学校に行けなかった子が朝から学校に行けるようになったり、学習効果が上がったり、不調が改善された事例は枚挙にいとまがありません」

成田奈緒子さんはこれまで延べ1万人以上の様々な悩みを抱える親子や子どもたちの相談に乗ってきた。そして、繰り返し「生活習慣の重要性」を説いてきたという。中学生以上の子どもでも、実践によって変化がもたらせされたことが多くあったという。

ともすると魔法のようにも聞こえる「生活習慣」だが、子どもが不調から抜け出すために何をしろというのだろうか?

■え、そんなことで…?健全な脳の発達のための必要な生活習慣とは

ーー具体的には、生活習慣をどうすればいいのでしょうか?

「早寝、早起き、そして、きちんと朝ごはんを食べるということです」

ーーえ、なんだか、当たり前のことで、本当にそんなに変わるのかなという感じもします。

「では少し、背景にある専門的なお話をします。健全な脳の発達には、育つ順番が重要なんです。大きく3段階あって、わかりやすいように家に例えてお話しします。

まず第一段階が、0歳から5歳を中心とした『からだの脳』を育てる時期です。

呼吸や体温調整などにつながる、生きる土台となる脳で、脳幹や間脳、脳下垂体とか、扁桃体という脳の原始的な部分、人間の脳の根幹を成している神経細胞たちなんですね。これは家でいうと、1階部分にあたります。

第二段階が、1歳から18歳を中心に『おりこうさんの脳』を育てる時期。大脳新皮質で、勉強やスポーツに関わる脳です。家で例えると、2階部分になります。

そして、第三段階が『こころの脳』で、前頭葉にあたり、想像力や、判断力などに関わります。家で例えると、1階と2階を繋ぐ階段です。ここを伸ばしていく時期は10歳から18歳頃です。

さて、良い生活習慣、特に強調したい早寝、早起き、朝ごはんは、1階部分の『からだの脳』を育ててくれます。この神経細胞たちを、ちゃんと縦横無尽に5歳までに伸ばしておかないと、第二、第三段階で、知恵や知識が入ってきたとしても、それを統合する能力が足りなくて、その後の学習や、前頭葉という一番高度な脳の機能にも影響がでてしまうのです。

1階部分が小さくて、2階ばっかりで大きくて、バランスが悪い家を想像してください。子どもの脳の状態がそうなっていると、ちょっとしたことでも動揺し、壊れやすいことがイメージできるかと思います」

■良い生活習慣を妨げるものは?本末転倒な子育ての盲点

ーーつまり、最近の子どもたちは、早寝、早起き、朝ごはんなどの生活習慣が後回しにされているということなんですね。なぜでしょうか?

「まずは親の生活習慣の乱れによる影響があります。

さらに、乳幼児期から早期教育や、スポーツ教室に通わせる方が増えています。そのために、からだの脳を育てるべき時期に寝ることが疎かになっていることもあるようです」

ーー習い事は、小さいころから子どもにいろいろな経験させてあげたいと思ってのことだと思うんですが…。

「睡眠時間を削らないのであれば習い事も問題ないですが、寝ることを犠牲にするなら、本末転倒だから、やめたほうがいいです。特に乳幼児期は、夜8時に寝ることを死守してほしいです」

ーー夜8時を死守…そこまで大切だということなんですね。確かに、それを本当にできている家はそんなに多くないように思います。

「早寝ができないと、早起きができず、朝ごはんもしっかり食べられないわけです。

例えば5歳児だと、少なくとも10時間は寝てほしいんですね。10時間っていうと夜8時に寝て朝6時に起きる早寝早起きのイメージです。睡眠時間を確保できないと、脳の土台が作られなくなってしまうので、いくらその上に学習とかスポーツを入れても育たないわけです」

【望ましい睡眠時間】
●0-3か月 14-17時間
●4-11か月 12-15時間
●1-2歳   11-14時間
●3-5歳 10-13時間
●6-13歳  9-11時間
●14-17歳  8-10時間
●18-25歳  7-9時間
(出典:子育て科学アクシス)

ーー小学生でも9時間から11時間の睡眠時間ですか…。高学年になると塾に行く子もいますよね。「おりこうさんの脳」を育てることを優先するのではいけないんでしょうか?

「年齢が上がっても、やっぱり早寝早起き、十分な睡眠時間は大切です。しかも、規則正しい生活習慣は健康面だけでなく、学習面にも影響するという調査(※2)もあります」

ーーとにかく、良い生活習慣、早寝、早起きして、朝ごはんをしっかり食べることがなにより重要だということを、親は再認識しないといけないのですね。

「脳の育て方の順番をきちんとしていきましょう。繰り返しになりますが、生活習慣が軽視されると『からだの脳』が育ちません。『からだの脳』『おりこうさんの脳』『こころの脳』のバランスが崩れるということは、私達が思ってる以上に、子どもに大きな影響を与えるということを是非知ってもらいたいです」

(4月13日放送・配信『SHARE』より)

※1 文部科学省『通常の学級に在籍する特別な教育的支援を必要とする児童生徒に関する調査』 令和4年12月13日
※2 早稲田大学 理工学術院 柴田重信研究室とベネッセ教育総合研究所による『子どもの生活リズムと健康・学習習慣に関する調査2021』では、精神的な健康状態・成績が良い子どもは、普段から規則正しい生活をしている傾向がみられた。

https://news.yahoo.co.jp/articles/2cdf29c1bcf8f600829f0e05c060213a96fb024e

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