No267 過去の受賞企業から ~第13回日本でいちばん大切にしたい会社大賞より⑥~

今週は第13回の日本でいちばん大切にしたい会社大賞を受賞した26団体の中から印象に残ったグリンリーフ株式会社さんのホームページをご紹介致します。

 https://www.akn.jp/

グリンリーフ株式会社(群馬県利根郡) さんの創業は昭和37年、澤浦廣治氏が農業を始めたことによります。平成14年にグリンリーフ株式会社化しています。現在の社長は澤浦彰治氏です。

圃場は約68ヘクタール、ハウス:77棟の広さがあります。主な事業は有機農産物の栽培・加工・販売です。社員数はHPでは記載を見つけられませんでしたが別サイトで調べてみると約180名のようです。

●澤浦社長の言葉から

農家に生まれたことから迷いなく農業の道に進んでいますが、始めてみると、農業に関する様々な疑問が浮かび上がったと言います。

農家は作物の値段を自分たちで決められない

そこで自分たちで作物の値段が決められる農業をするために「契約栽培」と「農産加工」に着目し実行してます。

野菜を販売した収入で安定した生活が送ることができ、お客様とも良好な関係を築くことができる。そして、自分の子供たちには良い教育環境を与え、彼らが成長したときに「農業をやってみたい」と言わせたい――。これが、私たちグリンリーフグループが目指す農業の理想型

戦後は人口の約半分の人が農業をしていました。その後の工業化により平成31年には農業人口は1.3%になりました。これは日本が工業化し経済的に先進国となり豊かになった証であると同時に、身近にあった「食」の生産現場(農業、食品製造)の専業化が進み時に健康や環境問題を起こしました。また、「農」と「食」の現場が乖離した事で食の原点を知らない人たちが増えたことも昨今の課題だと言えます

●さまざまな取り組み 沿革より

平成2年 こんにゃく芋の有機栽培に取り組む

平成8年 ミネラルを利用した栽培を始める

平成9年 細菌検査機導入 

平成11年 大学生のインターンシップを受け入れる

平成12年 日本農林規格(JAS)による有機認証を蒟蒻芋の栽培と蒟蒻加工で取得、有機栽培蒟蒻を発売

平成14年 実習生の宿泊施設を建設

平成15年 従業員持ち株会を設立

平成16年 HACCP導入に向けて衛生管理体制構築を進める

平成20年 全国農業コンクールで農林水産大臣賞受賞。輝く経営大賞の環境部門賞受賞。第47回農林水産祭において天皇杯を受賞

平成20年 300mボーリングし毎分600Lの深井戸を完成

平成25年 200kw/hの太陽光発電導入(←現在260kwの発電設備を導入、使用料の17%をまかなうまでになっている)

令和2年 外国人寮を群馬と静岡に建設

●最後に

同社の核にあるのは「感動農業」、「人づくり、土づくり」という理念に象徴される、農業への揺るぎない信念と、それを実現するための「6次産業化」という方法論です。

社長の言葉や沿革にある同社の取り組みひとつひとつを見ていると、農産物、加工先や販売先、それに伴い環境や品質を担保するための設備が整い、6次産業としての質・量が拡大し、ぶれることなくまい進していると感じます。

***補足***

この投稿では「法政大学大学院 政策創造研究科 坂本研究室」や「人を大切にする経営学会」での経験をもとに毎週火曜日にお届けしております。個人的な認識をもとにした投稿になりますので、間違いや誤解をまねく表現等あった場合はご容赦いただければ幸いです。(人を大切にする経営学会会員;桝谷光洋)

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です