次の目標は「さきちゃん」

中小企業人本経営(EMBA)プログラム4期、5期OBの有限会社ますいいリビングカンパニーの増井真也と申します。この度はブログ掲載の機会を頂戴し誠にありがとうございます。今回は3年間の変遷と現在の取り組みについて書かせていただきます。

EMBAに通っていた1年目は、とにかく毎月何か一つの制度を自分の会社に持って帰りました。それまで有給休暇など聞いたことがなかった会社で有給休暇70%取得のためのニコニコ委員会創設、法定検診に自腹で血液検査をつけていた会社に35歳以上人間ドック、近藤会長の本を購入して給料・賞与の評価制度を作ったり、君が怒らないことで問題の90%は解決するよと言われて怒らないことにしたり、とにかく真似をする1年間でした。でもこれだけでは良い社風、良い会社にはなりませんでした。

2年目がスタートし、昨年と同じ1回目の4月講義で近藤会長の講義を聞いていると、なんだか自然と視点が変わっていました。2回目に近藤会長、二宮相談役のお話を聞いて一番印象に残ったのは、社員の年収でした。4期ではその他の制度を真似することに逃げていたのですが、5期ではこの部分から逃げていたのでは何も変わらないことに気づきました。そこで1建築士の平均賃金データを厚労省のHPから探し、それにリクルートの記事で見た0.74をかけて2級建築士のデータを作り、それを元に社員のモデル給料の表を作って、一人一人をそこに当てはめ目標賃金を作った後に、どうしたらその賃金を支払うことができるかを真剣に考え評価をしました。その給料改定はまさに5期の6月給料からスタートしましたが、この手法を取ったとき初めて社員の給料をここまで支払いたいという目標が僕の中に生まれました。金額を抑えたいという意識で査定するのと、ここまで払いたいという意識で査定するのとでは全く結果が変わります。そういえば二宮相談役の目標も社員の給料を一円でも多く支払うというものだったということを改めて思い出しました。

決算賞与についても「正直」であることを大切にしました。毎月の月次決算の説明をして、年度末の決算もみんなで見れるように指導しました。毎年約1000万円の内部留保を増やすために、経常利益から1600万円を引いた額を決算賞与の財源としました。この額の3分の1ずつを税金・未来費用・決算賞与としたのです。この結果、5期年度では夏冬賞与と合わせて約4ヶ月分の賞与を支払うことができました。「正直」であることの大切さは、実は4期で石川先生から教えていただいていたのに、実行できたのはその次の年でした。

働き方改革では、時短分の労働生産性の向上をどこで行うかを真剣に考えながら行うようにしました。ただ単に絵に書いただけの制度では社員はやる気になりません。でもDXなどを取り入れてこれだけ時短ができたのだから、この分改革しようとなれば現実的な改革となります。この手法で2年間に亘り、年間休日を85日→93日→98日と増やし、1日の拘束時間も、8時30分から19時(3時間休憩・7.5時間労働)→8時30分から18時30分(2.5時間休憩・7.5時間労働)→8時30分から18時(2時間休憩・7.5時間労働)へと短縮しました。

5期の受講中、入社2年目の女の子がコミュニケーション障害という診断で休職をしていました。どう対応しようか悩みました。その時の僕の目標は、この女子社員にまた仕事をしてもらうことでした。「私はこの会社が好きです」、と言ってもらえることでした。その子は昨年の秋から新しいモデルハウスで広報の仕事に取り組んでくれています。もちろん大好きな設計の仕事にも徐々に復活しつつあります。

先日娘の友人のダウン症の妹さんが会社を訪れました。とても可愛いさきちゃんというお嬢さんです。僕に何ができるのか、これまで学んださまざまな取り組みをされている諸先輩の会社を思い出しながら真剣に向き合いました。まだ答えは出ていませんが、この答えも探さなければいけません。さきちゃんが特別支援学級を卒業する1年半後までに何かの答えを出したいと思います。

少々長くなりましたが、僕は今こんなことに取り組んでいます。6期では弊社の伊藤がお世話になっております。「優しくあるために強くあれ」、もっといい会社になるようにこれからも取り組んでいきます。

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