100の指標を自身と会社の背骨にして改革を行う

第14回「日本でいちばん大切にしたい会社」大賞が、10月23日で締め切りました。

今年も、150社以上の推薦があり、応募された方とやり取りをしてきました。
最終的に辞退されたりといったことは毎年のことですが、

それでも今年は100社以上の応募企業が、

一次審査のテーブルに乗ることになると思います。

審査項目について十分に理解されていない応募企業もありますので、

毎日、電話でやり取りをする日々が続いています。

第14回から内閣総理大臣賞が創設されますので、

間違いがあってはいけないと、今まで以上に慎重に確認作業を行っています。

さて、「日本でいちばん大切にしたい会社」大賞の審査項目と

同じ思想の元でつくられているのは、

『日本でいちばん大切にしたい会社の100の指標』(2015年朝日新書)で、

法政大学院時代、坂本光司学会長が中心になり、200の指標をつくり、

書籍化する際に、200では多すぎるといったことで100に絞り込まれたものです。

最近は、リニューアルし、

『会社の偏差値 強くて愛される会社になるための100の指標』(2021年あさ出版)

と出版されました。(http://www.asa21.com/book/b582892.html

この指標を、自身と会社の背骨とし、社員に方向性を示して、

いい会社づくりに取り組んできたのは、東証スタンダード上場企業の

大興電子通信株式会社代表取締役社長CEの松山晃一郎さんです。

松山さんは、同社の生え抜きとして新入社員から役員、

さらに代表になった方ですが、代表就任した当初は、

業績不振で48歳以上59歳以下の社員を希望退職による人員削減をした直後であり、

赤字決算に加え不正経理も発覚する等、

経営状態は、お世辞にもいいと言える状況ではありませんでした。

そうした中、偶然、本屋で坂本先生の

『日本でいちばん大切にしたい会社シリーズ』の本を取って感銘を受けました。

そして、2016年代表就任の年に、松山さんは、直接、坂本先生に対談を申し入れました。

そして、その前年2015年に出された『日本でいちばん大切にしたい会社の100の指標』

を知り、その指標を自身と会社の背骨にしたのです。

具体的には、100の指標をエクセルに転記し、

自社ができているところとできていないところを明確にしました。

その後、毎年毎年、一つずつ〇の数を増やしていく努力をしたのです。

最初の内は、松山さん一人で黙々とやっていましたが、

徐々に賛同する社員が増えていき、全社的な取組みに変わっていったと言います。

そして、5年の月日を経て、遂に、

第12回「日本でいちばん大切にした会社」大賞を受賞したのです。

私自身、つい最近、大学院時代の同窓会に出席しましたが、

「藤井の考えるいい会社と俺が考えるいい会社は違うからな~」

といったことと言う同窓生がいました。

実際、このことは、こうした狭い世界の話だけでなく、

世の中全体を見ても同じだと感じます。

大興電子通信のように、上場企業で約1200人もの社員がいれば、

当然、松山さんと違う考えの社員がいるのが普通であると思います。

そうした際、トップが役割である方向性を示すことが重要なことは

言うまでもありません。

「自分と会社の背骨をつくり、社員に方向性を示す!」

このことで、前述の状態から大幅に経営改善を果たし、

自己資本比率他も約40%、フリーキャッシュフローも48億円と 安定感のある会社に

変革させたのです。

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