利他の心と自己肯定感

こんにちは。人財塾5期生の冨永英里です。

東京都港区で税理士と社長専門のカウンセリングをしています。

昨年人財塾では、経営理念、特に利他の心を大切にしている実にたくさんの会社があることを学ばせていただきました。

坂本先生の講義の中でも「利他の心をもつ」という言葉がたくさん出てきました。

私自身も常にそんな心を持って仕事に励みたいと思っています。

しかしところ変えればなんとやらで、「利他の心」について、巷ではこんな声も聞こえてきます。

「利他の心をもつのは大切だということはわかっている。でも実際は、自分のことで精一杯で、利他の心をもつ余裕なんてない」と。

あるべき姿としては肯定しつつも、実際にはできないというのが声の言い分です。

ではなぜ利他の心を持つ余裕がないのでしょうか。

私は、利他の心が持つ前提として「自己肯定感が高いこと」が必須条件であると常々思っています。

自己肯定感とは、「自分が自分についてどう考え、どう感じているかによって決まる感覚」のこと。自己肯定感が高い人は、「ありのままの自分をかけがえのない存在として肯定的、好意的に受け止める」ことができます。

なので、たとえ自分が失敗やミスをしても、ありのままの自分を認め、自分を受け入れることができます。必要以上に自分を否定したり自分を罰したりしないので、自分を信じて次の行動にうつすことができます。

一方自己肯定感が低いと、自分を肯定的、好意的に受け止めることができません。

自己肯定感が低い人が他人を肯定的、好意的に受け止めることなどできるはずもありません。

さらには、自分に対して否定的、批判的なので、他者に対しても自分が自分に対して感じているように、否定的、批判的に見てしまう傾向が強くなります。

結果、相手の批判から自分を守ろうとして、保身的になりがち、時には攻撃的な行動にでる確率も高くなり、利他の心どころではありません。自己肯定感が低いままの社員に、利他の心を唱和させると逆効果で会社に批判傾向が強くなります。

この自己肯定感ですが、実は生まれながらに低い人はいません。育つ環境や今までの人生経験によって自己肯定感が低くなっているだけです。

特に日本はアメリカ・中国・韓国に比べて、自己肯定感がとても低いという調査結果が出ています(平成29年国立青少年教育振興機構「高校生の心と体の健康に関する意識調査報告―日本・米国・中国・韓国の比較―」より)。

昨年、母校の大学で授業をしたのですが、学生達のレポートからもやはり自己肯定感が低いなあと言う印象を受けるレポートもありました。

 学校教育において、そして社会人になってからも私たちは「問題点の抽出→解決」というパターンはよく学びます。しかし、自己肯定感をあげるための勉強や体験ワークなどはあまり実施されていないー、このような環境では自己肯定感が低くなるのも無理はないと私は思っています。

 ではどうすれば自己肯定感をあげることができるのでしょうか?

長年の体験で自己肯定感が下がってきていますので、自己肯定感を一気に短時間で引き上げることは無理があります。でもトライしなければ自己肯定感は低いままです。

積極的に自己肯定感をワークを取り入れ、根気よくそれらを継続して習慣化することで、個人差はあれど、自己肯定感は少しずつ上がってきます。

このブログでは自己肯定感をあげるワークをひとつご紹介します。

いろんな心理療法の手法を応用して私が作ったとてもシンプルなワークです。

私が実際に友人や親子同士、研修などで体験済みです。

簡単で楽しくなり、効果もバツグンのワークです。

タイトルは「いいとこ探しゲーム」です。

2人組になって行います。用意するものは、紙とえんぴつ。

ルールは簡単、まずは、自分の良いところを紙に20個書き出します。

次に別の紙に相手の良いところを20個書き出します。

自己肯定感が低いと、自分も他人も良いところがなかなか見つからないでしょう。その場合は、リフレーミングという手法で、悪いところを、裏読みします(ここだけ少し心理学に詳しいガイド役が必要ですが。。。)例えば、「せっかちである」は、「行動力がある」に変換、「トロい」は、「慎重に物事を進める」等に変換します。

書き終わったら、お互いに、相手の良い点を書いた紙を相手に渡します。すると手元には「自分が知っている自分の良い点」と「相手が知っている自分の良い点」の紙が残ります。これを照合してみるのです。

すると小さな奇跡が起こります。

ひとつは、自分が書いた自分の良い点と、相手が書いた自分の良い点の共通項が見つかります。

すると相手との一体感が生まれ、心の距離が縮まります。

もうひとつは、自分は気づいていない「自分の良い点」も見えてきます。「ああ、他人からみれば自分にはこんな良いところがあったんだ」と自分に対する新しい発見が生まれ、心がほんわか温かい気持ちになります。

人は褒められると安心し、勇気づけられ、自己肯定感も上がります。

高い自己肯定感があれば、利他の心はどんどん養われていきます。

年明け、新年会などで、「心のお年玉」として、みんなで楽しくやってみるのはいかがでしょうか。

人財塾5期生

税理士・心理カウンセラー 冨永英里

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