BCPの具体化を
時々、このテーマを書かせて頂いておりますが、BCPは社員の命と健康を守る都共に、事業の継続をいかに実現するかが課題です。今日は、東京におけるBCPの必要性とその具体化について考えてみたいと思います。
現在、東京にかかわる地震のよる被害想定は次の5つの地震です。
- 都心南部直下地震
- 多摩東部直下地震
- 大正関東地震
- 立川断層帯地震
- 南海トラフ巨大地震
この内、30年以内に発生確率70%が①と②、70%~80%が⑤と言われています。仮に運転中に交通事故に遭う確率が30年間で70%と言われれば、自動車に乗るか躊躇するところでしょう。又はジャンボ宝くじの1等が30年間で70%の割合で当たるといわれれば、かなりの高確率だと感じるはずです。地震は自宅や勤務先で発生するとは限らず、移動中又は移動先で遭遇するかもしれません。このような場合にどのように対処するかについては、リアルな想定が大切です。
東京都被害想定ホームページで、被害想定マップを開くと、5つの地震の震度予測、液状化リスク、急傾斜地の崩壊リスク、建物全壊、消失等のリスクがわかります。また、主要幹線道路周辺の全壊数は、道路の寸断状況の参考になります。自分の職場から自宅に歩いて帰る場合に、どの道がより安全かが分かります。
また、このホームページには、東京マイ・被害想定というサイトがあり、自分の年齢、家族構成、どこで被災するか等のアンケートに答えていくと、その際の被害の状況・身の回りの様相、そして取るべき防災行動がそれぞれの場面に合せて出てきます。自宅にいるのか、外出先にいるのか等をみるだけで概要をリアルに知ることができます。
これは個人向けのサイトですが、その情報は、ある程度一般化できます。詳細情報をみると、発災直後、1日後以降別に状況と取るべき事前準備及び発災時の対応が分かるようになっています。これを職場にあてはめると、職場のBCPを具体化する助けになると思います。
(学会 法務部会 常任理事 弁護士山田勝彦)
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