39.障がい者の定着率は過去3年間おおむね90%以上である

100の指標 
100 indicators

【4.高齢者・女性・障がい者に関する指標】
【4. Indicators for elderly, women, and people with disability】

39.障がい者の定着率は過去3年間おおむね90%以上である
39. The retention rate of people with disabilities has exceeded 90% for the past 3 consecutive years.

135Pに紹介されている静岡県浜松市の「京丸園」さん。

古いネット情報から。
京丸園(株)
 【水耕野菜生産】
 (静岡県浜松市鶴見町)
 2006年9月1日に開催された園芸学会東海支部の産地視察で京丸園(株)を訪問しました。

 京丸園は1973年にミツバの水耕栽培から始まりました。1995年に新商品「姫ねぎ」と「姫みつば」を生産し始め,2004年には「姫ちんげんさい」を導入し,株式会社として組織を立ち上げました。家族4名の他,従業員5名,パートタイマー32名で,生産面積は施設7,000㎡,水田70aです。
 「姫みつば」の開発は寿司屋との連携で始まりました。「手巻き寿司に使える小さいミツバは作れないか」との提案からネギとミツバの小型化に取り組み,「京丸葉ねぎ」,「京丸姫みつば」はオリジナルブランドとして京阪神でも高い評価を受けています。なかでも1995年に開発した「姫ねぎ」は京丸園の主力商品で,30市場に出荷しています。

 京丸園の商品は収穫したものをそのまま食用とする用途であることから,農薬の使用には厳しく制限しています。害虫の飛び込みを防ぐために温室の側窓は全て防虫ネットで覆われており,天窓も防虫ネットが掛かっていました。また,害虫捕殺と発生予察のために栽培ベッドの至る所には黄色の粘着ボードが設置されていました。

 また,温室の外側5mは雑草防除のためにマルチが敷かれており,特にスリップスなどの飛び込みを防ぐ工夫がされていました。
 京丸園(株)は,ミツバやネギの水耕栽培商品を生産する水耕部,トマト栽培やアイガモ農法による無農薬水稲栽培の「土耕部」,福祉農園を経営する「心耕部」に分かれています。
 なかでも社長の鈴木厚志氏は障害者雇用に積極的で,1996年にカウンセリング資格のコンストラクティブ・リビングトレーナーの資格を取得し,現在14名の障害者(知的,精神,身体障害者)を受け入れて生産を行っています。障害者を雇用したことで,障害者の懸命さに刺激されて他の従業員が前向きに仕事を考えるようになり,生産効率はそれ以前より高まり,職場の雰囲気も良くなったとのことです。
 また障害者を雇用したことで,「心耕部」では管理の難しいプラグ育苗過程をJA育苗センターに委託せざるを得なくなりました。しかし,育苗の委託によって栽培効率が一気に向上し,プラグ苗を水耕ベッドに定植して収穫するまでの栽培日数は最短で7日,年間30作が可能になり,水耕部でも積極的にプラグ苗生産の委託に踏み切ることができました。ちなみに288穴のプラグトレー1枚の単価は500円とのことです。
 栽培日数が極めて短いために定植は計画的に行われています。

 水耕ベッドの発泡スチロールボードは2枚重ねられています。通常のチンゲンサイでは子葉と第1葉は除去して出荷しますが,ボードを2枚重ねることで筒状のベッドで栽培することになり,下葉が開かないために収穫したものは下葉を除去することなく全て商品として出荷できるようになります。

 市場出荷主体では単価の変動が激しく,雇用労働を主体とした経営では不利であるとの判断から,業務用主体で販売を行っており,スーパーへの出荷については1パック98円の受注生産を行っていました。出荷は農協を経由していますが,代金回収のメリットに加えて,農協を通すことで取引業者が品質保証の安心感を覚えるメリットがあるとのことでした。

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