「自己資本比率50%以上」を実現するには?(その3)
100の指標「自己資本比率50%以上」を実現するには?(その3)
おはようございます。中部支部の諸戸です。
本日は、「日本でいちばん大切にしたい会社がわかる100の指標」の95番目の指標である
・自己資本比率50%以上
に関する記事を投稿します(その3です)。
自己資本比率を高めるための財務的なロジックやマネジメントのポイントをご紹介しています。
自己資本比率は、自己資本÷総資産で計算されます。
これが50%以上であれば、100の指標の内の一つを満たします。
前回は、
・死に銭
というキーワードを使って、貸借対照表の左側の総資産(自己資本比率の計算式では分母)の水膨れを防ぐことについて投稿しました。死に銭は、倒産リスクも高めますので、注意が必要です。
死に銭とともに、
・回転率
というキーワードも、自己資本比率を高め財務体質を強くするのに重要です。
今日は、これについて、投稿します。
事業を財務的に表現すると、
・自分や他人から資金を調達して(貸借対照表の右側)、工場や在庫など様々な資産に投資して(貸借対照表の左側)、調達した資金以上に増やして配当又は再投資する。
ということになります。
例えば、100万円を調達して、それで商品を購入し、110万円で販売し回収すれば、10万円の利益が得られるとともに、100万円(ないし110万円)を再投資できます。再投資すると、さらに10万円の利益が得られます。回収するまでを1サイクルとします。
ここで問題ですが、1年間で1サイクルの会社と、1年間で2サイクルの会社では、どちらが財務的にいいでしょうか?
1サイクルだと、元手100万円で利益は10万円、2サイクルだと元手は同じく100万円で20万円の利益ですから、財務的には、後者の方がいいということになります。
仮に、1年1サイクルの会社が、1年間で20万円の利益を確保しようとすると、元手が200万円必要になります。
こうなると自己資本比率的にはどうでしょうか?
資産総額は1年2サイクルの会社に比べて、増えそうなことはお分かりいただけると思います。
となると、自己資本比率的にはあまりよろしくないということになります。
また、資金繰り的にも1サイクルよりも2サイクルの方が楽で、社外社員(仕入先)への支払いも早くすることができます。
さらに、回転が遅いと製品経費も膨らみます。
1年で1台製造する場合と、半年で1台つまり1年で2台製造するのでは、前者の1台当たり製造経費は後者の倍です。もちろん、1年かけて製造するので、スペックもいいでしょうから価格も倍近くなり回収はできると思いますが、確実にそうとも言い切れません。
つまり、資産の回転が速いとメリットが大きいということになりますので、自社はどうかということを意識して取り組んでいただけると良いと思います。
中部支部事務局 諸戸和晃
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