株式会社 柳月【No71いい会社視察2013/9/9、2017/9/13】
今回は2013年と2017年に坂本ゼミの夏季合宿としてご訪問した『株式会社柳月』さんをご紹介致します。同社は三方六で有名は北海道を代表するお菓子メーカーです。
●概要 (現在のホームページから)http://www.ryugetsu.co.jp/
会社名 株式会社 柳月
住所 北海道河東郡音更町下音更北9線西18-2
事業内容
十勝音更工場にて和菓子・洋菓子の製造
直営店舗43店舗で販売
イタリアンレストラン「トスカチーナ」経営
設立 1947年3月(昭和22年3月)
資本金 2,000万円(グループ会社合計)
代表者 代表取締役社長 田村 昇
従業員数 799名(男性183名、女性616名/2018年10月現在)グループ会社合計
事業所 直営店舗:札幌地区16店舗/十勝地区12店舗/釧路地区8店舗/苫小牧地区2店舗/千歳地区1店舗/旭川地区2店舗/中標津地区1店舗/北見地区1店舗/室蘭地区1店舗
●スイートピア・ガーデン(2001年にオープン)
今や年間60万人が訪れる観光の定番となっています。開店前には平日で平均約60人が並び、真冬には時にマイナス27度になるときもありますが20名ほどが開店を待っています。土日には100~200名。
帯広にくる観光バスの60~70%がスイートピア・ガーデンを訪れます。
十勝は日本の食糧庫。十勝は今まで農産物で十分な利益をえていたため観光には力を入れていませんでしたが、近年観光にも力を入れています。
●経営理念 柳月五つの誓い
私たちはお菓子を通じて家族の絆を結び
人と人との心を結びます。
1.私たちは、心を結ぶ団らんをお手伝いします。
2.私たちは、心を結ぶお菓子をつくり続けます。
3.私たちは、心を結ぶ、接客・サービスを行います。
4.私たちは、地域社会と心を結びます。
5.私たちは、心を結び、幸せを目指します。
●北海道と家族団らん
同社は理念にもあるように、“家族の団らんのために存在している”と言っても過言ではありません。
田村社長は、日本の家庭の問題を力説されました。
両親共働き、子供が塾、父親は家庭と会社とでギャップを抱えている。家族に会社(職場)の楽しさを見せなければ、子供は大人になりたがらないと。
北海道は離婚率が沖縄に次いで2番目に高く、お菓子を中心とした家族のコミュニケーションの場を提供したい、その想いはより一層強いのだと感じました。
●ショートケーキ190円を守っています
家族団らんには美味しいだけではなく、手が届く手ごろな値段であることが大切です。
お菓子の主な原材料は、小麦や砂糖、牛乳です。それらは政府が価格決定に関与しています。そして全国一律ということでもあります。安く提供するためには生産性を上げるしかありません。
同社は10数年前、札幌に進出した際、人件費や土地代が高いため10円値上げして200円としようとしたところ、社員が自分たちで努力する、と190円の維持を社長に申し出たほどです。社員の皆さんに理念が浸透していることを証明したエピドートです。
同社では生産性向上のために可視化を重要視しています。例えば、経常利益を1%向上させるためには、1日あたり〇分改善、ケーキ〇個分の改善など具体的は数字にしてイメージしやすくしています。可視化によって現場のいいs気と行動が直結されていました。
●二酸化炭素排出ゼロのお菓子作りを目指して
同社は2013年の時点で太陽光発電量は北海道でいちばんでした。そして原材料をすべて道内で調達することで、食材と電力ともに北海道で生産したお菓子作りを目指しています。
●最後に
北海道エリア「2014年度卒マイナビ大学生就職企業人気ランキング」調査結果によると
1, 2位に金融機関についで、4位に柳月とロイズコンフェクト、12位に六花亭製菓。
2017年度の同じ調査でも1位にロイズコンフェクト、5位に六花亭製菓、7位に柳月と相変わらず上位となっています。
新卒の学生がいい会社への意識を高めている北海道。全国に先立つ注目すべき傾向かもしれないと思います
***補足***
この投稿では2012/4~2018/3までの6年間法政大学大学院 政策創造研究科 坂本研究室で経験した【いい会社視察】・【プロジェクト】・【授業で学んだこと】を中心に、毎週火曜日にお届けしております。個人的な認識をもとにした投稿になりますので、間違いや誤解をまねく表現等あった場合はご容赦いただければ幸いです。(人を大切にする経営学会会員;桝谷光洋)
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