五方への配慮が必要
五方の内、社外社員への配慮については、先週のブログで考えてみました。
今日はそれに加えて五方への配慮について考えてみたいと思います。
▼社員への配慮
2020年5月29日の日経新聞朝刊に、
「正規と非正規の待遇差、新型コロナで顕在化」との記事が出ていました。
正規、非正規というと「同一労働同一賃金」と関連するようになりました。
しかし、新型コロナウイルス感染症下で問題となっているのは、
目に見える賃金格差についてではありません。
日経新聞でも例示されていましたが、たとえばテレワークです。
正社員にはテレワークは認めるが、非正規社員にテレワークを認めない、
というような取扱いをしている会社では、
出勤する非正規社員がテレワーク中の正社員の業務を補うために、
通常の業務以上に負担がかかってしまう、
保育園が休業してしまって子どもの面倒を見なければならない場合に、
正規社員はテレワークで対応できるけれども、
非正規社員にテレワークが認められないため、
やむなく欠勤しなければならず、その結果、非正規社員には
欠勤分の給与が無給となってしまうというような事態です。
これらも待遇の「均等均衡」に反することとなる可能性が高いです。
社員に対しても配慮が必要です。
会社によっては繁忙期の対応のためにアルバイトを
雇用しているような場合に、新型コロナウイルス感染症下では、
アルバイトの勤務の必要性がないということもあり得ます。
しかし、この場合でも、最低限、休業手当分つまり過去3カ月の
給与平均の60%程度以上は維持できるように配慮するなどすることが
望ましい対応といえます。
▼五方への配慮
五方の内、お客様については、当社へ来訪された方が
新型コロナウイルスに感染しないよう最大限配慮することが必要です。
皆さまの会社もそうだと思いますが、お客様の感染予防については
万全の対策をとりたいところです。
また人を大切にする経営学会参加の会社の中には、
新型コロナウイルスに対する基金に寄付をしたり、
地域の活性化により協力したりしている会社があります。
これらは五方の内の地域社会に対する配慮といえます。
最後に、今月に開催の多い株主総会もオンライン会議システムを
利用するなどして、株主の総会での感染予防に努める会社も多くあります。
未だオンラインだけの株主総会は法律上認められていませんが、
会場で株主総会を開催しつつ、オンライン会議システムによって
株主総会に出席する方法は認められています。
「五方よし」経営の会社は、新型コロナウイルスに合わせて、
独自の五方への配慮に努めています。
是非皆さんの取り組みを教えて頂きたいです。
(学会 法務研究部会 常務理事 弁護士山田勝彦)
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