コーケン工業株式会社【No12いい会社視察2013/6/3】

今回は2017年3月の「第7回日本でいちばん大切にしたい会社大賞」にて中小企業庁長官賞を受賞された『コーケン工業株式会社』さんをご紹介致します。

2013年6月に坂本ゼミ生約10名で企業調査研究の一環として訪問させていただき、当時代表取締役だった村松久範社長に約2時間にわたってお話を伺った時のご報告です。
http://www.koken.jpn.com/
*本文章の内容は5年前の視察情報に基づいています。現在では最新情報と相違があるかと思います。その点ご承知おきください。

同社は静岡県沼津市で1971年に創業。その後浜松市移転を経て1995年に本社と2工場を統合して現在の磐田市に移転。創業時からパイプ生産を行っています。

<特徴>
・通常では工程ごとに別会社へ分業している業種にありながら、パイプ引抜/切断、切削、曲げ/端末加工、溶接、酸洗・表面処理まで自社内で一貫生産体制を構築
・多品種少量生産を実現し、さらに超少量・超短納期を実践している
・年齢は80代から中卒の10代まで3世代が同居
・人の絆・チームワーク・人間力を重視
←社員の人間力を高める経営が最も大切であることを証明していると感じました。
・障がい者雇用を自然に実践している(社員251名中15名(重度障がい者4名含む)約5.97%)

<印象的だった村松社長の話>
・(今のような会社に)なろうと思ってなったのではない。でも思いがないとならない
・医者でいえば総合診療医になりたい。総合診療医は聞いて聞いて聞くことが大切
・社内の隅々や小さな情報を感じとる能力・観察力が大切
・あまり近づきすぎない。ある程度距離を置く。“してやった”になってしまう
・特別なことはしていない。家族なら当たり前のことをしているだけ
・若くても高齢でも誰もが成長していかなければならない。家族とはそういうもの
・良い製品をつくると製品が納め先にしゃべってくれる
・コーケン工業が目立つことがおかしい
←坂本先生がよくお話される“異常が長く続くと正常があたかも異常に見える”と同義だと思いました
・社長は200人くらいの社員の家族構成や名前は覚えている(250人全員はむりかなぁ~と)
・高齢者は年をとった人ではなく年を重ねた人
・採用活動では学生さんには説明会や面接時は普段着で来てもらう(緊張させずに普段通りで臨んでほしいから)

当日は、入社後の研修期間(4/1~6/15)につける研修ノートを見せていただきましたが、先輩や上司、社長のコメントに溢れていて同社の雰囲気そのものでした。

<こんなエピソードがあります>
訪問時の最高年齢は85歳でしたが、その2年前同社の過去最高年齢92歳の女性が働いていました。まだ働けたと言いますが、ご家族の希望(私が当事者でもそう考えると思いました)があってやむを得ず辞めることに。辞めたあと3か月ほどで亡くなってしまったそうです。その女性は退職後も近所の会社に働かせてくれないかと尋ねて回ったと言います。
日本理化学工業の大山会長のお話もしかりですが、人にとって働くことの大切さが直接心に響くエピソードでした。

<視察時のデータから>
〇年齢構成・比率
10代 4名 1.6%
20代 66名 26.3%
30代 38名 15.1%
40代 32名 12.7%
50代 20名 8.0%
60代 68名 27.1%
70代 20名 8.0%
80代 3名 1.2%(最高齢85歳)

村松社長は幼少時に終戦を迎え、お父様はロシアで亡くなり祖母に育てられたと言います。また、“日本人という家族で育った”とも言います。このような思いが高齢者や障がい者を含めた社員とその家族までをコーケンファミリーとして大切にする理由だと感じました。

ある高齢男性の社員さんは、“コーケンに来てよかった。会社にいると友達が増える。”と笑顔で話してくれました。

***補足***
この投稿では2012/4~2018/3までの6年間法政大学大学院 政策創造研究科 坂本研究室で経験した【いい会社視察】・【プロジェクト】・【授業で学んだこと】を中心に、毎週火曜日にお届けしております。少しでもお読みいただく皆さまのお役に立てれば嬉しい限りです。個人的な認識をもとにした投稿になりますが、間違いや誤解をまねく表現等あった場合はご容赦いただければ幸いです。(桝谷光洋)

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