点滴知識は、経営を衰退させる!

経営学と経営は「似て非なるものなり」 経営は実学、経営学者ほど経営がわかっていない!

まさに、その通りだとつくづく感じます。

年齢を重ねてから大学院に通って、本当に良かったと思います。学卒で、社会人としての経験がなく大学院に行っていたとしたら、多分、もっと頭でっかちになっていたと思います。

論文から入る学問は、それなりに有効です。
経験則だけでは、再現性が担保されないからです。

一方、経営学者と言われる方の話で、腑に落ちたことは数える位しかありません。
何故かと考えると、それは、経験の消化がないからです。

私は、こうした知識を「点滴知識」と言っています。

口から入って、胃腸、小腸、大腸で、栄養が吸収されることなく、いきなり血管に栄養が入るようなものだからです。

食事を自分で食べることは、身体にとってとても重要なことです。
1.箸を使って、あるいは、ナイフやホークで口に運ぶ
2.歯を使って口の中で噛み砕く
3.しっかりと食道から体内に入れる
4.胃や腸がきちんと働き栄養となる

このことを、経営に当てはめてみるとよくわかります。
1.お客様に価値があるものを提供して、時には、クレームをいただきながら商品を買っていただく
2.会社のそれぞれの方が、買っていただいた商品サービスをお客様に提供する
3.提供した商品サービスの対価を頂く
4.頂いた対価を配分したり、貯蓄して次の経営活動に活用する

人間の身体に直接、食べて~栄養にするといった活動がなくなると、やがてそれぞれの臓器の機能は低下して、衰弱していきます。

経営も同じで、借りてきた理論で横文字やカタカナを並べて喜んでいるのは、経営活動といった実践の消化なく、机の上でこねくり回しているだけで、本質がわかる訳がないことは容易に想像できます。

どちらかを否定しているのではなく、経営は、血管から直接に栄養(知識)が入るといったことだけでは本質がわからないので、経験の消化と両方を行うことが重要だと言っているのです。前職ではアメリカに毎年行くことが多かったのですが、名刺交換すると多くの学者が、自分の会社を持っていました。
(決して海外の学者の全面的に評価しているわけではありませんので誤解なく・・・)
ところが日本の多くの経営学者は、海外の論文を翻訳していて伯がついて・・・といった方も少なくありません。

実際に、人を雇えば辞めたいと言い出す。資金繰りに奔走される・・・のが、経営の現実で、その中で、論文では図り知れない経営の本質が見えてくるのだと思います。

経営者の立場からすれば、書籍・論文は、自社の経営の限られた経験を補ってくれる重要なリソースでとても大切です。しかし、それは、あくまでも点滴知識だと割り切って、役に立ちそうならば、実際に自社の経営での消化することが重要だと思います。

長い間、多くの企業と関わる仕事をしていると、面白い光景に出くわすことがあります。

1.コミュニケーションを本を書いている人が、コミュニケーションが悪い
2.経営コンサルタント、中小企業診断士といった方々が自分のマーケティングができておらず収入が低い
3.有名な経営学者の大学院に、人が集まらず、赤字が常態化している

こうした不思議を数えたら、キリがないくらい挙げられるのではないでしょうか?

学者が頭で考えることと、実際に経営がうまくいくことには、小さいようで大きな隔たりがあります。

人の付き合いも同じだと思います。

一生懸命働いて、多少なりとも利益が出たら、また、人に投資する。そして、人が人を呼び大きなネットワークになっていく。もちろん、見返りなど頭で考えて望んだら大抵が見透かされて信用を無くす・・・。こうしたことを経験の消化をしている経営者は、稼いだら、また、人に投資をして、また、稼いだら、人に投資をします。
これが実学で身体で学んだ経営学だと思います。頭で考えて、計算が先に経ったら、付き合いの僅かのお金も惜しむようになり、やがて信用も人も無くす・・・・といったことが身体で理解しているからです。

人を大切にする経営は、何の見返りは考えなくても、実は、最もリターンが多い経営学だと思います。
経常利益10%など達成しなくても、それ以上に、信用その他、無形の資産がたくさん蓄積されると思います。しかし、こうしたことも、実際の経営活動の中で、うまくいく、或いは、うまくいかないことを繰り返しながら少しずつしかわからないことだと思います。

人を大切にする経営学会の来期のスケジュールの素案を作っていて、どうしたら、喜んでもらえる計画ができるかと年度末であれやこれやと考えていました。例えば、企業視察はどこに組んだら、疑似体験でも参考になるか、どなたの話が、今の時代に参考になるのか・・・等々です。新しく、ホームページも変わります。新たな企画も行います。
学会員の方に喜んでもらえるように、少ない知恵を絞りますので、是非、期待して下さい。

さて、日本でいちばん大切にしたい会社大賞審査委員特別賞受賞の三和建設株式会社 森本尚孝代表取締役社長が、新しく出版されました。実質、債務超過であった経営を引き継いでからの実学の経営が臨場感を持って描かれています。大いに参考になると思います。

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