働き方改革と就業規則⑭

働き方改革と就業規則⑭

▼給与体系の変更をしたい
同一労働同一賃金の原則の影響を受けてか、最近、年功序列型から
成果主義型への制度変更をする会社が多くなってきたように感じます。
同一労働同一賃金の原則であっても、経験年数、在籍年数で給与差を
付けることは認められていますので、年功序列型でも同原則に
反するわけではありません。もっとも働き手の人手不足などもあって、
柔軟な給与体系をめざし成果主義型を一部導入したり、
成果主義型に完全に移行したりすることも考えられるところです。

▼やり過ぎの成果主義は無効となる恐れも
平成30年4月27日名古屋地裁岡崎支部で言い渡された判決は、
年功序列型から成果主義型への就業規則の変更が、社員の不利益変更に
あたり許されないとして、就業規則の一部を無効と判断しました。
その会社は、これまでの年功序列型から完全な成果主義型に
給与体系を移行することにしましたが、2段階の評価をする際に、
同じ人が一次評価と二次評価をする可能性があること、
最低評価であるDの評価基準が不明確であること、
その評価を修正する可能性を担保する制度や措置がなかったこと、
下がった評価が次年度の評価の前提となること、その結果D評価を
受けた場合には、これまでの年功序列型よりもかなり生涯賃金も
減額される可能性があることなどの事情から、
この最低評価に関する部分は、無効とされました。

▼適度な変更を
この裁判例は、地方裁判所の判断であり、今後、高等裁判所や
最高裁判所で変更される可能性がありますが、ある程度、世間的にも
了解される判断ではないかと思います。
年功序列型の給与体系もよい面も多くあります。
もし、仮に成果主義型に変更するとしても、これまで年功序列型の
給与体系を採用してきた会社では、いきなり完全な成果主義型に
体系を変更するのではなく、一部導入するなど適度な範囲での
変化が望ましいのではないでしょうか。
(学会 法務研究部会 常務理事 弁護士山田勝彦)

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です