契約書の勧め

平成29年に事業等では多く使われる民法の債権法が改正されました。そして、本年4月に施行されました。この改正は、平成の大改革の一つとなりました。

旧民法の売買契約や請負契約等でよく使われていた「瑕疵」という言葉も条文からなくなりました。「瑕疵」という意味は、平易にいえば「欠陥」というような意味です。

旧民法570条では、「売買の目的物に隠れた瑕疵があったときは、」買主はその瑕疵を知らず、かつ、そのために契約をした目的を達することができないときは、契約を解除できると規定されていました。

改正された民法では566条にまとめられ、「売主が種類又は品質に関して契約の内容に適合しない目的物を買主に引き渡した場合において、買主がその不適合を知った時から一年以内にその旨を売主に通知しないときは、買主は、その不適合を理由として、履行の追完の請求、代金の減額の請求、損害賠償の請求及び契約の解除をすることができない。」となりました。

つまり、改正によって「瑕疵」が「不適合」ということばになり、一年以内であれば、履行をするよう求めたり、代金の減額を請求したり、損害賠償を請求したり、解除をしたりできるという規定となりました。

もちろん、契約は自由にできますから、契約書でこの内容と異なる内容を定めることはできますが、契約書がない場合やこのような条項がない場合には、民法が適用されることとなります。

「瑕疵」が「不適合」に変わったとして、それでは「不適合」ってどんな場合を言うの?というと、これは難しいです。契約書にどのような取引かを明確に規定しておかないと、取引対象に適合しているのか、いないのか判断できないからです。欠陥とまでは言えなくても、依頼した内容と違う結果になる場合は比較的よくあることではないでしょうか。このような場合に不適合といえるかどうかについて契約書が重要となってきます。

多くの中小企業では、契約書を作らずに取引を行っています。そのような会社では、民法の改正は大きく影響をしてきます。是非、契約書を作成することをお勧めいたします。

(学会 法務研究部会 常務理事 弁護士山田勝彦)

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