社員も五方良し

人を大切にする会社の就業規則について、よく服務規程、懲戒規定や解雇規定はあるのですか、と聞かれます。当然に人を大切にする会社でもこれらの規程は就業規則に盛り込まれます。

 しかし、その意味するところは、経営側が一方的にこれらの規律を押しつけるものではありません。

 五方良しは、経営者の信念です。でもそれだけではありません。社員も五方良しを実践するべきだと考えます。もちろん、社員にとって一番大切なのはお客様(現在顧客と未来顧客)や地域社会ですが、社外社員とその家族、そして自分以外の同僚である社員とその家族のことも大切にしなければならないと思うのです。その意味では、経営者とは優先順位は変わるかもしれませんが、やはり社員も五方良しを実践すべきです。

 その中で、自分の権利と他の社員の権利とがぶつかってしまう場合には、お互いに話し合いをし、調整を図るべきです。決して自分の権利のみを押し通してはいけないと思います。

 日本国憲法においても、権利を行使する場合には、「公共の福祉」に反しない限りで行使できるとされています。例えば、有給休暇申請の日が重なってしまって、どうしてもやむを得ずどちらかが出勤をしなければならないとき、自分の権利のみを主張するのではなく、双方の予定や事情を確認し合って、お互いに譲り合うような会社がいい会社の社員だと思います。

 もし、社員の中で、どうしても他の社員にわざと嫌がらせや迷惑をかけるような社員がいた場合、経営者は万一の場合には、他の社員を守るために強行的な手段にでる可能性もあるのです。そのために厳しい規程も残さざるを得ません。

 ただしこのような場合でも、経営者は出来るだけその社員を指導し、成長を促し、できるだけこれらの規程を使うことがないように努力しなければならないことはいうまでもないことです。

 (学会 法務研究部会 常任理事 弁護士山田勝彦)

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