SDGsとサステナブルファイナンス

最近、サステナビリティ・リンク・ローンという単語をよく目にするようになってきました。サステナビリティとは、自然環境や社会、健康、経済など将来にわたって、現在の価値を失うことなく続くことを目指す考え方で、持続可能性、といわれていたりします。このサステナビリティを具体的な目標として設定されたのが、SDGsという位置づけになろうかと思います。 

 つまりサスティナビリティ・リンク・ローンとは、自然環境や社会、健康、経済など分野の持続可能性ある取り組みをすることを条件にローンを組むことを言います。世界的には2018年頃から利用が始まり、2019年3月には、国際的な指標として「サステナビリティ・リンク・ローン原則」が整備されました。 

 このローンは、一応、企業が独自に事業業績評価指標(KPI)を設定するなどして、目標を決め、一定の期間内にその成果が達成できた場合は、金利を引き下げるなどして借入条件を変更するなどのインセンティブを付けるローンです。 

 例えば、CO₂の排出削減率、再生可能エネルギー調達率、食料廃棄率等の目標値(サステナビリティ・パフォーマンス・ターゲット(SPTs)と言ったりします)を確定します。この計画について例えば、日本格付研究所(JCR)などによる第三者がその目標がサステナビリティ・リンク・ローン原則に適合しているかを判断し、その意見をもらい、融資を受けることになります。 

 このようなローンは、財務の面から企業のSDGsの取り組みを支援する一方法になると考えられます。 

 まだ、あまり広く認知されていませんが、このような多様なローンの在り方は、社会を変えるきっかけになるかもしれません。 

(学会 法務研究部会 常任理事 弁護士山田勝彦)

  

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