正義より正しいのは・・・

11月1日、新型コロナウイルス感染症による規制の緩和を受け、久しぶりに「人を大切にする経営学会」主催の企業視察に参加しました。場所は、長野県伊那市西春近にある障がい福祉サービス事業を提供しているNPO法人 5Loaves(ファイブローブス)です。理事長は、お父様の代から牧師さんをされている城村英志牧師です。3棟の障がい者のグループホーム、B型就労支援作業所、古着屋や、シホンケーキのお店などを運営しています。

そんな城村さんはおっしゃります。

一般的に、福祉サービス事業に関わるスタッフたちはとても熱心で、ついつい自分の福祉方針を重視していまい、他のスタッフと言い争いになったり、利用者に無理強いをしてしまったりしてしまう傾向があるそうです。それぞれの「正義」がぶつかり合ってしまうというのです。

私たち弁護士の仕事は「正義」を実現するという意味があります。「正義」とは、個人が持つ権利がしっかり保護され、争いになっても法のもとで正しく解決されるという意味があります。しかし、個人の権利は時々ぶつかり合ってしまうことになります。正義を通すことが、全体のバランスから見ると必ずしも正しいとは言えないという場面も出てきてしまいます。

福祉などの社会貢献事業の関わる人も、福祉サービスのやり方が異なり、あまりに真剣になってしまうために言い争いになってしまうこともあるのだと思います。そのとき、城村さんは、何のために福祉事業に関わっているのか、思い直してもらうのだそうです。みんなは、「障がい者が幸せに過ごす場を提供したい」その「愛」の心に戻りましょうと伝えます。

城村さんは、「正義よりも正しいものがあります。それは愛です。」とおっしゃっていました。相手に対して、「愛しているよ」と伝えれば、言い争いなんて起こらないと。とても心に刺さるお話でした。

 牧師さんでもある城村さんは新約聖書「コリント人への第一の手紙」の一節を読んでくださいました。

「愛は寛容であり、愛は情深い。

 また、ねたむことをしない。

 愛は高ぶらない、誇らない、不作法をしない。

 自分の利益を求めない、いらだたない、恨みをいだかない。

 不義を喜ばないで真理を喜ぶ。 そして、すべてを忍び、すべてを信じ、すべてを望み、すべてを耐える。」

(学会 法務研究部会 常任理事 弁護士 山田勝彦)

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