社外社員とその家族を大切にする

物流業・運送業「2024年問題」については、既に周知の事実となっています。

ご承知のように、2024年4月1日より、これまで時間外労働の上限規制の適用が猶予されていた建設事業及び自動車運転業務に対しても適用されることになりました。

 時間外労働につき、月45時間、年360時間を原則として、臨時的な特別事情がある場合に限り年960時間(休日労働を含まない)が限度となります。

 運送業の長時間労働は以前より大きな問題となっていました。待機時間も当然労働時間となるため、時間外手当がかさんでしまいそのために給与体系を工夫するなどしてきました。

たとえば、賃金総額を歩合給(出来高給)などで事実上決定し、その総額を基本給と固定割増賃金に振り分け支払をするという「総額賃金振り分け方式」などです。しかし、このような「総額賃金振り分け方式」は基本給と割増賃金との判別は不明として割増賃金を支払うべきとする最高裁判決が令和5年3月10日に出されました。

このような状況の中で、待機時間を減らすことは喫緊の課題でした。しかし、待機時間の問題は自社だけではどうしようもなく、手を打てないままでした。

ところがやっと最近になり荷主側が工夫をして待機時間を減らすために努力をはじめ、競合他社と倉庫を一カ所にして、積荷の時間短縮を図るようにしたり、スーパー等の数社が協議を重ね、特売品や新書品の発注を納品日の6営業日前までとするなどの取組みが始まりました。

人を大切にする経営では、「社外社員とその家族」を大切にすることを重視しています。今回の物流に対するメーカーやスーパーの取組みは、法律改正をきっかけとしてはいますが、社外社員とその家族を大切にするためには、自社の都合だけでなく、取引先の社員を大切にするという観点で経営をしていくことが望まれます。今回の動きは、そこに繋がっていくといいと思います。

(学会 法務部会 常任理事 弁護士 山田勝彦)

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