男性の育児休業の取得促進

2023年7月25日の日経新聞で、厚労省の諮問機関である労働政策審議会が、男性の育児休業の取得率の公表義務について、現在の従業員1000人超の企業から、300人超の企業に広げる方向で検討を始めたとの報道がなされました。

 記事の中でも引用されているパーソナル総合研究所が2023年6月27日にホームページにアップした記事によると、「男性育休の取得が企業の持続的成長と組織力強化に寄与することが明らかに」なったそうです。

 同研究所の定量調査結果によれば、男性育休の取得率が20~50%未満の企業では、1か月以上の取得者が約6割である一方、取得率が80%以上の企業の1か月以上の取得者は4割未満という結果がでており、取得率が高いからといって中長期の取得ができているわけではないことが分かったそうです。

 また取得率5%未満の企業は、男性育休に対する情報発信等の実施が低いこと、育休が取りづらい原因として、不在時の対応が困難であることや取得に対して周囲のメンバーの理解が不足していることなどが挙げられています。

 また企業側からみると、1か月以上の取得者がいる企業は、それ未満の短期の取得者のみの企業よりも従業員の自主的な行動促進、業務の見直しや属人化解消、従業員の視野拡大の効果を実感している割合が高いという結果が出ているそうです。

 日経新聞でも、技研製作所は「育休を3か月以上取得する人に期間中に月最大5万円を最長12か月、男女ともに支給」したり、大和リースは、「育休を90日以上取得した男性社員に100万円支給」したり、清水ハウスは「3歳になる前日までに1ヵ月以上の育児休業取得を推進し、最初の1か月は有給扱い」としるなどの取組みをしてることが紹介されています。

 学会経営人材塾第5期生による「いい会社には、生きた社内制度がある」では、配偶者の出産時特別休暇制度、法定以上の育児休暇制度、育児休業後復帰する社員にサンキュー手当を支給、有給によるこの看護休暇等の制度を紹介がされていました。

 できるところから制度化していき、十分な育休をとってもらうことは、社員とその家族にとってだけでなく、会社にとっても有意義なことだと思います。

 (学会 法務部会 常任理事 弁護士山田勝彦)

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