「責任あるサプライチェーン等における人権尊重」②

責任あるサプライチェーン等における人権尊重の実践方法として、まず最初に取り組まなければならないには、「人権方針の策定」です。

 たとえば、「日本でいちばん大切にしたい会社大賞」第11回、経済産業省大臣賞を受賞したサントリーホールディングス株式会社の人権方針は、次のようなものです。

 サントリーグループ人権方針(サントリーグループホームページより)

「サントリーグループは、「人と自然と響きあい、豊かな生活文化を創造し、人間の生命の輝きをめざす」企業として、人々の豊かな生活を創造していくと同時に、社会や自然との共生、そして人間の生命が輝く社会の実現に貢献します。

 サントリーグループは、事業を行う過程で、直接または間接的に人権に影響を及ぼす可能性があることを認識し、ビジネスに関わる全ての人の人権を尊重するために、「サントリーグループ人権方針」(以下、本方針)をここに定め、人権尊重の取り組みをします。」と定めています。

 また、同じく「日本でいちばん大切にしたい会社大賞」第11回、厚生労働大臣賞を受賞した株式会社ファンケルの人権方針は次の通りです。

 ファンケルグループ人権方針(株式会社ファンケルホームページより)

「ファンケルグループは、創業理念「正義感を持って世の中の『不』を解消しよう」に基づき、2018年「ファンケルグループサステナブル宣言~未来を希望に~」を策定し、地球環境、社会問題など「未来への不安」に立ち向かい、ステークホルダーとともに「希望」をつくり、現在と未来に生きる人々の笑顔のために、持続可能な社会を目指すことを宣言しています。

 わたくしたちのあらゆる事業活動の土台となるのが人権の尊重です。事業に関わる全ての人の人権を尊重する責任を果たすために、人権尊重の取り組みをグループ全体で推進し、その責任を果たしていく指針として、「ファンケルグループ人権方針」(以下、本方針という)をここに定めます。本方針は、ファンケルグループの事業活動における人権尊重への取り組みに関するすべての文書・規範の上位方針として位置づけます。」

 この中でも触れられていますようにサントリーグループの企業理念、パーパスは、「人と自然と響き合い、豊かな生活文化を創造し、『人間の生命の輝き』をめざす。」であり、ファンケルグループの創業理念は、「正義感を持って世の中の「不」を解消しよう」です。

 このように人権方針を策定する時には、「自社の経営理念を踏まえた固有の人権方針」を策定していくことになります。

 次回は具体的な方針の内容を確認していきたいと思います。

 (学会 法務部会 常任理事 弁護士 山田勝彦)

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です