【No298『リストラなしの年輪経営』著者;塚越 寛;いい書籍紹介】

今回は2014年9月に出版された『リストラなしの年輪経営』(光文社文庫)をご紹介します。本書は2009年に出版された『リストラなしの年輪経営』(光文社)に修正を加えて文庫化した書籍です。
坂本研究室のメンバーとしては2013年3月に伊那食品工業さんを訪問することがあり幸いにも塚越寛会長から直接お話を伺った記憶がよみがえります。

『リストラなしの年輪経営』著者;塚越 寛 光文社文庫

●目次
はじめに
第一章 「年輪経営」を志せば、会社は永続する
第二章 「社員が幸せになる」会社づくり
第三章 今できる小さなことから始める
第四章 経営者は教育者でなければならない
おわりに

●印象的な言葉
“「48年間連続増収増益」いわれるよりも「20年間会社が嫌で退社した人間はゼロ」に誇りを感じる”
“利益は健康な体から出るウンチである”
“利益それ自体には価値はない、どう使うかが大事”
“人件費はコストではなく、会社の目的そのもの”
“たくさん売るより、きちんと売る”

この20年間を振り返って、
“日本のように20年間物価が下がり続けた国は世界にはないだろう”
“この現象はデフレではなく、単なる安売り競争だ”
“経費削減の大部分は他社の売上減少”

●最後に
現在は伊那食品工業の最高顧問である塚越 寛氏は、高校2年の時に肺結核を患い3年間の闘病をされています。当時は死を覚悟しなければならないほどの感染症でした。太陽の光を浴びて外を歩く人を見て、“人は健康であることが一番幸せ”と確信します。松下幸之助氏、稲盛和夫氏も若い時に肺結核を患っています。塚越氏にとって大病が人間形成に大きく影響したことは言うまでもなく、“選んで病気になることはないが、若い時の辛い経験は避けるのではなく受け入れることが大切”と説いてくれました。

伊那食品工業の歴史は日本の寒天の歴史そのものと言えます。同時に塚越氏が導いた同社の歴史は、日本の中小企業の見本となる経営です。寒天の製造、深堀や研究開発、理念の追求、社員の成長、社風の醸成、地域や取引先との関係などすべてが参考になります。

***補足***
この投稿では「法政大学大学院 政策創造研究科 坂本研究室」や「人を大切にする経営学会」での経験をもとに毎週火曜日にお届けしております。個人的な認識をもとにした投稿になりますので、間違いや誤解をまねく表現等あった場合はご容赦いただければ幸いです。(人を大切にする経営学会会員;桝谷光洋)

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