43.不況時には経営者が社内のだれよりも率先して大幅に役員報酬を削減する

100の指標 
100 indicators

【5.経営者に関する指標】
【5. Indicators for Management】
43.不況時には経営者が社内のだれよりも率先して大幅に役員報酬を削減する
43. During business slow downs/ down turns, management reduces executive compensation significantly compared to other employees in the company.

43Pには熊本県の「櫻井精技」さんが紹介されている。
リーマンショック時に社長の報酬を1ドルにして役員や部課長の給与を下げたが一般社員はそのままにした。
社長の報酬を元に戻せと社員が一丸となった。

リーマンショック時に社員からボーナスを出さなくて良いと言われたが出したのが、大阪市の「天彦産業」の樋口社長。

JALを多くの社員をリストラして経営者は名経営者と言われるが、「人を大切にする経営学会」では良しとしない。
多くの社員とその家族を路頭に迷わせたからだ。

3.11では宮城県気仙沼市の「阿部長商店」では800名近くの社員の内、5人が亡くなったが一人も解雇しなかった。
今でも戻ってくるのを待っているし、競争相手とも絆で協同意識が形成されているようだ。

岐阜県中津川市の「サラダコスモ」ではO157のピンチの時も一人も解雇せず、100億円企業になった。

「櫻井精技」さんのリーマンショック時と後をネットから拾った。

市場の急回復を見据え
リストラをせずにリーマンショックを乗り切る

 同社にとって、もっとも大きな試練となったのは、2008 年のリーマンショックだった。
直後の2009 年決算では売上が約30%ダウン、翌年は約60%ダウンとなった。
 「半導体業界は景気のサイクルが必ずありますし、前年比3 割落ちることは覚悟しています。
3 割落ちても営業利益を出せた時は、これまでのやり方でいいと、自信になりました。
60%減の年は、営業利益はさすがに赤字でしたが、雇用助成金や蓄えていた内部留保などを活用し、最終決算はなんとか黒字を計上しました」。

 売上が落ち込んでも、リストラをしなかったのは、「エレクトロニクス市場は年々拡大し、携帯電話が買える人は、全世界で毎年1 億人ずつ増えている。
いずれ需要は拡大する」という展望があったからで、従業員には「リストラはしないので、安心して働いてほしい」と伝えたという。
その読み通り、スマートフォン向け装置の拡大で需要は急拡大し、2012 年4月期はリーマンショック前を上回る売上となった。

リストラしなかったことで、前年比約3 倍となる受注にも対応でき、赤字を出さなかったことで金融機関の信用が高まり、増産のための資金繰りも円滑に進んだ。
2012 年7月には本社工場を大幅に増設し、生産能力を1 . 5 倍に拡大している。

 「当面はスマートフォン向けの需要が拡大すると予想されるので、それに対応できる体制を構築していきたい。
将来的には、自動機で培ったメカトロニクスの技術を活かし、食やエネルギーの分野でも貢献していきたい。
現在、大学の先生方と連携して研究しているものでは、安全で生産性の高い食肉を生産できる畜産工場や、石油を作り出す藻類を培養する工場などが考えられます。
決して夢物語ではなく、近い将来実現できる可能性は十分にあります」。

 造船業からエレクトロニクス業界向けの自動機設計・製造へ、そして、さらなる可能性を求めて新たな分野へ。現状に満足することなくチャレンジを続けるDNAは、これからも受け継がれていく。

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