人を大切にする経営学会主催の経営人財塾の意義

週末は、以前から定期的に行っている社内の勉強会で、甲南大学西川教授を招いての情報交換の一日でした。

西川先生は、世界中を回り、組織開発のテーマで学会に日本のことを海外に正確に伝える、逆に、アメリカ、ヨーロッパ、アジアの企業事例と理論を、海外から正確に伝えるといったアンバサダーの役割を行っています。

西川先生と参加メンバーのイマージョンのコンサルタントやお客様を招いて、1日中、組織開発や幸福学について検討しました。なぜ、このテーマで検討会を開いたと言えば、最近のポジティブ心理学の幸福学に違和感を感じているからです。そのため、神戸から西川先生を招いての本音での意見交換です。

私の問題意識としては、ペンシルベニア大学のポジティブ心理学センター長、セルグマンの流れを組む流れがありますが、基本的には個人に焦点が当たっています。私自身は、ここに限界があると思います。
一方、ミシガン大学系のポジティブ心理学は、チーム、組織にもその適応範囲が広がっているために、私たちの実感に近いと感じます。つまり、キム・キャメロン教授は、組織変革の研究も行っているために、日々、組織の中で活動している多くの企業に勤める人にとっては、より活用できると考えるからです。

さて、幸福学についての私なりの考え方については、後日、自分なりに整理して書きたいと思います。

一方、アカデミアの崩壊といった話を聞きました。そして、マズローがYOU TUBEに上がった動画をメンバーと確認した後に、意見交換しました。TADその他、世界中の大学教授の授業が、自宅にいてパソコンから見れる時代です。

そうした中、マズローが何を言っているといった大学教授の解釈が入った説明でなく、60年弱前のマズローの実際の画像が、その場で見える環境になると、アカデミアで偉い先生方の価値が低下することは明白です。そして、実際にマズローの実際の映像を見てみると、今まで読んだ本との解釈の違いや、後半に伝えた5段解説は、間違いだったといった発言がポッカリ抜けてしまっていることがわかります。

実際、マズローの60年前のリアルの動画の方が、何度も読んだ本や、受けた事業より本質がわかると感じます。一方、英語ができないので・・・といった声も聞こえそうですが、グーグル翻訳の精度も非常に上がっており、まさに、チップが言語の壁を低くしてくれます。つまり、マズローに限らず、国内外の論文からのアプローチよりも、実際のリアルに起こっていることと向き合うことがいかに重要ががわかると思います。

2010年頃を境に、インターネットが世の中の多くの人に定着化したことにより、大学アカデミアの人の、生徒が知らない情報を伝えるといった機能の相対的価値は極端に低くなっています。

しかし、誰もが自分が言っていることが正しいと思いたいし、価値が低くなることに対して心理的な抵抗が起きることは容易に理解できます。
一方、エドガーシャインは、組織文化の研究や、キャリア研究、さらに、カウンセリング的な要素をもつ、プロセスコンサルテーションといった考え方を提言して有名です。
そして、必ず本の書き出しは、

「私は、コンサルタントとしての現場経験から・・・」で始まります。

つまり、坂本会長と同じように、現場経験の体系化であることがわかります。
決して、過去の論文のレビューから・・・ではないのです。

博士号といった学位授与の考え方は、論文レビューから始まって・・・といったことが既に実態に合っていない、時代遅れであり、こうした実態を踏まえない文部科学省は、もっと現場研究を重視すべきであると思います。
社会学である経営が論文の世界でわかる範囲は限られていることは容易に理解できると思います。
人を大切にする経営学会は、まさに、今までのアカデミアの在り方への問題提起もひとつの目的としています。

一方、既に、アカデミアの世界よりも、現実の人の意識の方が先に変わっているような気がします。
MBA教育を受ける人が、平成23年をピークに半減しているのは、インターネットで、多く情報が大学教授の手を介さなくても気軽にてに入るようになったこととは無縁でなく、特に、英語が当たり前に身近になってなり、TVよりもインターネットを見て情報収集をする世代になると、実質の便益よりも、時代遅れにとも言える学位のために通うだけの機関に高等教育である大学や大学院がなりかねません。

こうした問題意識から、人を大切にする経営学会では、本年度から経営人財塾を開催し、後半戦に入りました。現在、第2期の募集がスタートしました。

現場研究を大切にし、経営の目的を関係者の幸せに軸足を置く、1年間の講座に、ご興味がある方は、是非、ご応募して下さい。

1.学歴その他一切関係なし
2.志望動機と面接により、30名といった定員で一年間学ぶ
3.1年間で、現場研究を目的に数多くの直接訪問
4.毎月、実務家と専門家の情報提供と意見交換と、坂本会長のゼミナール
5.学んだことを自組織に役立てるためのプロジェクト研究

まさに、学位だけではなく、象牙の塔、ブックスマートの世界ではなく、実学としての経営を学ぶ場になります。
さらに、文科省認定の学位ではありませんが、学会としてのEMBA(Executive MBA)を授与します。

下記が案内です。尚、基本的な本講座の考え方を知りたい方は、是非、坂本会長が書いた「人を大切にする経営学講義」(PHP)を読んでみることをお勧めします。

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★入塾者募集中★
人を大切にする経営人財塾 入塾者募集につきまして
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2019年度の人を大切にする経営大学院事業 経営人財塾の開催が決定いたしました。
つきましては入塾者を募集いたします。
内容につきましては下記URLにアクセスいただき
必要項目をダウンロードして確認いただけます。
https://goo.gl/hguquQ
下記に概要のみご案内いたします。

■開講スケジュール■
1)開講期間 2019年4月~2020年3月
2)開 講 日 別添カリキュラム 毎月2日間(金曜日と土曜日の2日連続コマ)
3)開講時間 金曜日 13:30~17:40 ※2時間かける2コマ
       土曜日 09:30~12:30(1コマ)13:30~17時(1コマ)
4)講師等の都合により別の開催日に移動することがあります

■募集人員■
30名程度

■開催場所■
原則として、東京駅丸の内北口前「新丸ビル」14階の「パソナキャリア」の研修室です。
都合により別の開催場所に変更する場合もあります。

■受講料■
1)人を大切にする経営学会員は、参加者1名当たり60万円(消費税別)です
(除く夏の合宿経費、毎月有志での企業研究経費、懇親会経費)
2)学会員以外は 1名当たり70万円(消費税別)です(除く同上経費)
3)入塾者は面接試験結果を通知後、1カ月以内に指定の口座に振り込み下さい(二回払いも可)

■入塾希望者■
1)入塾希望者は「履歴書」「職務経歴書」(市販のもの)と「入塾願書」の3種類を添え、
  2019年1月7日(月)までに、学会事務局に郵送して下さい(当日消印有効)
2)入塾願書は、「A4」1枚程度に、「入塾の動機」「特に学び・研究したいテーマ等」について簡潔にお書きください
 (別紙「2019年度第2期『人を大切にする経営大学院事業(経営人財塾)』入学願書」 )

 *郵送先*
  〒102-0073
  東京都千代田区九段北1丁目15-15瑞鳥ビル2F株式会社イマージョン内
  人を大切にする経営学会 事務局
  人を大切にする経営大学院 入塾希望書類在中 と明記ください

■お問合せ■
ご不明な点等ありましたら学会事務局宛にメールにてお問い合わせください
順次メールにて回答させていただきます。
 *宛先* info@htk-gakkai.org
 *件名* 人を大切にする経営大学院についての質問

会員のみなさまには、郵送でも開催案内一式を送付させていただく予定です。
12月10日までに到着しない場合には、事務局宛にご連絡をお願いします。

人を大切にする経営大学院事業の詳細につきましては
下記URLにアクセスいただき、必要項目をダウンロードして確認いただけます。
https://goo.gl/hguquQ

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