トップの定年を考える
当学会の常任理事を務めている井上修氏が、
2024年2月28日を持って、伊那食品工業株式会社の取締役を退任された。
その退任理由は、役員定年制に基づいたものだった。
坂本光司学会長も常々
「社員に定年制があるのなら、社長自身にも定年制を設けるべきだ」
とおっしゃられているが、
そのことがあったからかまでは分からないが、それを実践した形となった。
ただ、人手不足を背景に、定年退職の年齢を引き上げる企業が増えたり、
役職定年を延長する企業も増えている現状を踏まえれば、
一律に年齢だけで定年を決めるということは、難しいように思う。
では、それをどう見極めるかだが、
これも坂本光司学会長が以前に、いくつか例を示していた。
1.3年連続赤字を出したとき
2.変化、変革を好まなくなったとき
3.後継経営者が十分に育ったとき
4.リーダーシップを果たせなくなったとき
5.ロマンやビジョンを示せなくなったとき
6.現場に出ることが目に見えて減ったとき
もちろん、これ以外にもポイントはいくつかあると思う。
ただ、人を大切にする経営に取り組む企業の社長は、
自分自身に常に圧力をかけ続け、自分に厳しく、
あえて退路を断っていることだけは確かだ。
トップとして、その気概が他の誰よりもあるかどうか、
常に自問自答し続けていくことも、トップの重要な責務ではないだろうか。
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