健康経営で大切なこと

「健康経営」とは、従業員等の健康管理を経営的な視点で考え、戦略的に実践すること(経済産業省)と言われています。そのための具体的な取り組みとして、次のようなことが言われています。

*従業員の健康課題を把握

*健康課題解決のために有効な取組の設定

*健康経営で実現する目標値と目標年限の明確化

*ヘルスリテラシー向上のための研修を実施

*ワークライフバランスと病気と仕事の両立に必要な就業規則等の社内ルールの整備

*食生活の改善

*運動機会の増進

*感染症予防

*メンタルヘルス府庁舎への対応

*受動喫煙対策

*定期検診、ストレスチェックの実施

 それでは、健康寿命との関係で一番リスクが高いのは何でしょうか。

 この点について、ブリガムヤング大学のホルトランステッド教授らは、2010年に148本の研究データを解析し、分析をしました。その結果、一番リスクが高いのは社会的関係性による影響でした。これは喫煙、感染症のワクチン接種、体脂肪、高血圧、大気汚染等よりも高リスクであると分かりました(Social relationships and mortality risk: a meta-analytic review,Julianne Holt-Lunstad 1, Timothy B Smith, J Bradley Layton2010)。

その後同じグループがデータを分析した結果、2015年には「社会的孤立」29%、「孤独感」26%「ひとり暮し」32%、死亡率を高めることが分かったと言われています。

 テレワーク等で孤立感や孤独感が問題となりつつありますが、会社の「健康経営」として一番重視しなければならないのは、もちろん医学的な知見によるテクニカル取り組みも必要ですが、なにより、社会的なつながり、を社員と共有できることだと思うのです。人を大切にする経営を実践されている経営者の会社を訪問しますと、実に頻繁に社員一人一人に声がけをされている様子を拝見します。このような日々の声がけ(あなたのことを見ていますよ、関心をもっていますよ、という気持ちのあらわれ)が一番の健康経営なのではないかと思うのです。

 (学会 法務研究部会 常任理事 弁護士山田勝彦)

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