「夢なきものに成功なし」とは

皆さんご承知の吉田松陰さんの言葉です。

夢なき者に理想なし、

理想なき者に計画なし、

計画なき者に実行なし、

実行なき者に成功なし、

故に、夢なき者に成功なし。

では、経営者にとって、夢、理想そして成功とは何か。この問いを本音で考えることは、意外と難しいのではないかと思っています。

 利益を上げて、大金持ちになることでしょうか。仮に大金持ちになるとしたら、いくら稼げば、満足できるのでしょうか。サラリーマンの生涯賃金は2億から3億程度といわれています。一方で、アメリカで某野球選手の通訳兼マネージャーが賭博で負けた金額は約4100万ドル(現在の為替相場でいえば約63億強)です。金銭欲を追求すれば、その欲にはきりがありません。おそろしいことです。

お金は必要です。しかしそれを追い求めることで、成功することにはならないことはよく分かります。利益追求を目的とするべきではないのです。

では、経営者の夢とは何か。理想とは何か。坂本光司先生は、「関係する人々の幸せの追求」であるとおっしゃっています。そして、成功とは「関係する人々の幸せの実現」に他なりません。お金を稼ぐことはその手段にすぎません。

「資本主義の終焉」という言葉を聞く機会が増えてきました。もはや利益追求のみを目的とした企業は、遅かれ早かれ「終焉」していくことになります。

改めて「夢」と「成功」とは何かを見直すことが大切な時代だと思うのです。

 (学会 法務部会 常任理事 弁護士山田勝彦)

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